「崖の上のポニョ」はファンタジーな世界が魅力ですが、ストーリーの中で「?」と思うことも多いのではないでしょうか?
フジモトって何者?グランマンマーレって?ポニョってなんの魚?など、本編では描かれていない部分も多いですね。
そこで、今回は「崖の上のポニョ」のトリビアについて解説します。
フジモトは元ノーチラス号の船員
ポニョの父親であり、グランマンマーレの夫のフジモトは、元潜水艦ノーチラス号の船員と言われています。
これは、公式のパンフレットにも書かれているようです。
潜水艦ノーチラス号の唯一の東洋人の乗組員であったフジモトは、人間に嫌気がさし、グランマンマーレと恋に落ちたのですね。
劇中で、命の水に書かれた「1871年」という年号が見える箇所があります。
1871年はノーチラス号についての小説「海底二万里」が出版された年であることをインスパイアしたものかもしれません。
グランマンマーレの正体はチョウチンアンコウ
フジモトの夫であるグランマンマーレは美しい女性の姿をしています。
船よりも大きな姿だったり、ソウスケの母親よりも少し大きいぐらいのサイズになったりと、自由に体の大きさを変えています。
そんなグランマンマーレの正体は「チョウチンアンコウ」。
しかし、「チョウチンアンコウ」が女性に化けたわけではないのです。
グランマンマーレはチョウチンアンコウの誘因突起の部分
チョウチンアンコウは、頭にエサを誘うための「誘因突起」と呼ばれるものがついており、発光させることができます。
グランマンマーレはこの「誘因突起」の部分です。
海の中でグランマンマーレが発光するシーンもありますが、チョウチンアンコウのためなのです。
ちなみに、劇中ではチョウチンアンコウの体の部分は一切見えませんが、1キロほどの本体があるようです。
ソウスケの母親であるリサと庭で話をする場面でも、グランマンマーレの足元は花壇で見えないようになっています。
さすがにチョウチンアンコウ本体を見せるのは、ファンタジーな映画の中でははばかられたのかもしれません。
ポニョは何の魚?
ポニョは何の魚の子なのでしょうか?
ポニョは金魚の説
ソウスケの母親のリサはポニョを見て「何それ。金魚?」と発言し、ソウスケの通う保育園の女の子も「変な金魚」と言っています。
しかし、「金魚である」とは誰も確定しておらず、推測の域を出ません。
ただ、宮崎駿監督が構想を練る際に滞在した広島県に「らんちゅう」という金魚が買われていたお店があったという話もあります。
確かに、「ランチュウ」は体は赤く、体(と言うよりは頭)が大きくて丸い金魚です。
見た目だけで言うと「ランチュウ」かもしれませんが、金魚は淡水魚。
海にいるのはおかしいということで、次に候補に挙がってくるのが「キンチョハナダイ」です。
ポニョは「キンギョハナダイ」という説
「キンギョハナダイ」は海にすむハタ科の魚です。
綺麗なオレンジ色をしており、優雅なひれがついていて、観賞用に人気。
海では群れで生活するので、ポニョが兄弟たちと一緒にいたこととも合致します。
しかし、ポニョの歌に出てくる「まんまるお腹」のイメージとは程遠く、平たい体をしています。
グランマンマーレの子なら「チョウチンアンコウ」?
グランマンマーレがチョウチンアンコウであるならば、その子どもであるポニョも「チョウチンアンコウ」であると考えられます。
チョウチンアンコウの稚魚は透明で丸い体をしており、丸い目がついています。
体はポニョのように赤くはありませんが、形としては似通っています。
釣り人に「ポニョ」と呼ばれる魚がいる
一方で、釣り人に「ポニョ」と呼ばれている魚がいます。
それは小ぶりの「アマダイ」です。
こちらは体が赤く、目や口が大きい魚です。
頭から口にかけての部分が丸くなっており、ポニョのモデルと言われればそうかもしれないと思える外見をしています。
ポニョが何の魚かは確定できませんが、これらの魚をモデルとして考えられたのだと推測できますね。
「崖の上のポニョ」の舞台は広島県鞆の浦
「崖の上のポニョ」の舞台は架空の島ですが、モデルと言われている場所があります。
それが広島県鞆の浦(とものうら)です。
宮崎駿監督が2004年に社員旅行で訪れ、2005年に再訪して構想を練ったと言われています。
築100年を超える建物や石畳があり、江戸時代の武家屋敷も残っています。
万葉時代から港町として栄え、日本では唯一江戸時代の港湾施設、常夜燈・雁木・波止・焚場跡・船番所跡の5つが残っています。
ノスタルジックな街並みを見ながら構想を練ったというのもうなずけますね。
まとめ
「崖の上のポニョ」のフジモトやグランマンマーレの正体、ポニョのモデルとなった魚や、映画の舞台について見てきました。
宮崎駿監督の作品は、設定が作りこまれていて、映画では語られないことも多いですね。
しかし、そんなトリビアに着目して改めて映画を見てみると、新たな楽しみ方ができそうです。