寺島しのぶが演じる瀬戸内寂聴さんってどんな人?経歴は?

女優の寺島忍さんが、実際に剃髪を行って挑む映画「あちらにいる鬼」(廣木隆一監督、11月公開)。モデルとなったのは、瀬戸内寂聴さんです。
どんな人なのでしょうか?



瀬戸内寂聴さんの経歴

瀬戸内寂聴(せとうちじゃくちょう)さんは、1922年(大正11年)5月15日に徳島県で生まれました。

俗名(世間に身を置いていたときの名)は晴美(はるみ)さんです。

小説家であり、天台宗の尼僧です。

1997年に文化功労者、2006年には文化勲章を受章されています。

略歴を見てみましょう。

出身高校:徳島県立高等女学校(現 徳島県立城東高等学校)

出身大学:東京女子大学国語専攻部卒

1942年(20歳) 大学在学中に20歳で酒井悌と見合いの上、婚約

1943年(21歳) 結婚、夫の任地の北京へ

1944年(22歳) 女の子を出産

1946年(24歳) 徳島に引き揚げ、夫の教え子(21歳)と不倫。夫(34歳)に打ち明ける(寂聴さんは25歳)

1947年(25歳) 一家3人で上京

1948年(26歳) 夫と3歳の長女を棄て、家を出て京都で働きながら小説を書く

1950年(28歳) 酒井悌と離婚、上京して小説家を目指す

1954年頃(32歳) 作家の小田仁二郎と同棲

1957年(35歳) 新潮同人雑誌賞受賞。ポルノ小説と批判される

1959年(37歳)~『無名誌』という同人誌に『田村俊子』(奔放な生き方をした明治生まれの女流作家についての評伝)連載開始、東京新聞にも長編小説を連載。

1963年(41歳) 小田仁二郎や元夫の教え子との不倫関係の恋愛体験を書いた『夏の終わり』で女流文学賞を受賞

1966年(44歳) 井上光晴と高松へ講演旅行、恋愛関係になる(井上光晴には妻子がいたため不倫関係)

1973年(51歳) 井上との関係を断つために出家

1988年(66歳) 『寂聴 般若心経』がベストセラーに

1992年(70歳) 『花に問え』(一遍上人を描いた作品)で谷崎潤一郎賞を受賞

2008年(86歳)ケータイ小説のジャンルにも挑戦

2019年(97歳)までに数々の文学賞を受賞。2019年にも第11回桂信子賞を受賞

2021年(99歳) 死去

瀬戸内寂聴さんは、紆余曲折のご自分の人生を小説にしたり、恋や思想、芸術に熱い人生をささげた実在の女性たちについての評伝も多く出版されています。

親しみやすい説法でも人気

経歴を見ただけでも、結婚、出産、離婚、出奔、不倫など、波乱万丈の人生が伺われます。

多くの経験をした瀬戸内寂聴さんの法話は大人気でした。

尼僧になっても肉を食べ、お酒を飲み、またそれを公言していたため、親しみやすさもあったようです。

そこでは天台宗の開祖・最澄の己を忘れて他のために尽くす、という教えの元、たくさんの人々を癒し続けたといいます。

年を重ねても書き続ける魅力的な小説家

驚くべきことに、99歳になっても、講談社『群像』で毎月連載を持っていた寂聴さん。

他にも、70代になってから源氏物語の新訳を出すために、準備期間に5年、執筆に10年かけて取り組んだり、86歳で「ぱーぷる」のペンネームで携帯小説のジャンルに書いたりと、活動はとどまるところを知りません。

88歳で脊髄を圧迫骨折、92歳で二度目の骨折と胆のうがんに侵されるも、手術を乗り越えて、またお酒を飲んでいると2015年に出演した「徹子の部屋」でも語ったとか。

年齢を重ねても精力的に活動される寂聴さん。

とても魅力的な方ですね。

2021年以降も書籍が出版されている作家

寂聴さんは2021年に亡くなられましたが、以降も書籍が出版されています。

これは、ご存命中に出演されたラジオでのお話が文字にされたり、これまで執筆されたものをまとめたり、ということのようです。

今なお出版され続け、人々に求められているのが分かりますね。

映画「あちらにいる鬼」の作者と瀬戸内寂聴さんの関係

映画「あちらにいる鬼」の作者は井上荒野さんです。

寂聴さんが出家して関係を絶とうとしたお相手が井上光晴さん。

井上荒野さんは井上光晴さんのご息女です。

井上荒野さんの父で小説家の井上光晴さん、その妻、そして瀬戸内寂聴さんの関係をモデルに描いた「あちらにいる鬼」。

基本的には創作ですが、作者は寂聴さんとも交流があったため、聞いた話も参考にされているそうです。

秘書の瀬尾まなほさんって?

瀬戸内寂聴さんについて 調べていると随所に出てくるのが瀬尾まなほさんの存在です。

瀬戸内寂聴さんの秘書を10年されていました。

2022年にはエッセイ『寂聴さんに教わったこと』が、瀬戸内寂聴さん『その日まで』と同時期に発売されています。

10年間、寂聴さんを一番近くで見守ってきたまなほさんの視点で寂聴さんのことを知れる一冊ですね。

まとめ

映画『あちらにいる鬼』のモデルとなった 瀬戸内寂聴さんの経歴について見てきました。

波乱万丈の人生でありながら、人を愛し、人からも愛されるお人柄なのが感じられました。

『あちらにいる鬼』は基本的には創作と言うことですが、寂聴さんの魅力を垣間見れることでしょう。

映画の封切りが楽しみです。